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年年歳歳花相似,歳歳年年人不同

自然や社会に対してふと考えてしまうときがあります。 そんな思いを少しだけ書き綴っていきたいと思います。

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パーセク

長さを表す単位には歴史的にも地域的にも様々なものがありますが,遠大な距離を表す単位の代表的なものにパーセク(parsec)があります。パーセクは,宇宙が舞台のSF小説などではおなじみの単位ですね。

1パーセクは3.26光年です。こうして光年で書き表すと,随分中途半端な単位であると感ぜられるかもしれませんね。パーセクの考え方は以下のように表されます。

パーセクの概念図


地球は太陽のまわりを一年かけて一周しています。正確にはその軌道は円ではないのですが,話を簡単にするために円ということにしておきましょう。あるとき地球が上図のE1に位置していたとします。そのとき地球から恒星S(恒星Sは比較的地球に近いとします)を観測したとします。半年後,地球はちょうど反対側のE2に位置していますが,そのときもやはり恒星Sを観測すると,その位置はE1で観測した時と比べて少しずれて見えるはずです。このとき,太陽と恒星Sを結ぶ直線と地球E1と恒星Sを結ぶ直線とがなす角 θ を年周視差(annual parallax)といいます。

この年周視差が1秒のときの恒星までの距離を1パーセクと定義したわけです。恒星Sから地球と太陽を見たとして,地球の公転半径(1天文単位といいます)が1秒角のときが1パーセクと言った方がわかりやすいかも知れません。極めて「地球的」な単位ですね。

なお,パーセクはparallax(視差)とsecond(秒)を縮めた語です。

比較的近い星までの距離は,このように年周視差を使って測定できるのですが,少し遠くなるとこの方法では無理になります。星までの距離を求めるには,先人たちは非常に苦労を重ねてきました。その物語は非常に興味深いのですが,それはまた別の機会にご紹介しましょう。
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英和辞典を手に取ると探す語

新しい英和辞典を書店で手に取ると,私が決まって探す単語の一つはiffです。ifのミスプリントではありませんよ。iffはif and only if(「必要かつ十分」の意)の略式の書き方です。理系の論文には時折見かけるのですが,あまり一般的では無いでしょうね。しかし,一般的ではないからこそ,私はその辞書の掲載している語彙の傾向を伺うのに使っています。

短い語なので,これまでの経験では論文を見慣れていない若者はうっかり「if」だと見誤ったりする場合が多々あるようですので注意が必要ですね。

あるいは写像の全射を意味するepimorphismなんかも探す単語の一つです。

昔はこれらの単語が掲載されている辞書は非常に限られていましたが,最近は辞書の語彙数が格段に増えてきて嬉しいです。辞書作成にかかわっている多くの人々のご尽力の賜物ですね。
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系外銀河研究のパイオニア: ハッブル

歴史にその名を残すような著名な研究者たちは,それぞれが個性的な人となりや逸話を残していますが,その中の一人を紹介しましょう。

アメリカの天文学者のハッブルをご存知ですか?
NASAのハッブル望遠鏡は彼の名前を冠した望遠鏡ですね。

ハッブル(Edwin P. Hubble, 1896-1953)は,系外銀河研究のパイオニアです。1929年にほとんどの銀河は我々の銀河から遠ざかっており,その速さVは距離Rに比例していることを見抜き,宇宙が膨張している証拠であると主張しました。これが有名なハッブルの法則です。

ハッブルは優秀なスポーツ選手でもありました。シカゴ大学で数学と天文学を学びながら,バスケットボールの選手として活躍しました。また,ちょっと意外に感じるかもしれませんが,ヘビー級のボクサーとしても有名でした。相当強かったようです。

彼の家族はもともとイギリスから移民してきたこともあり,イギリスの法律に興味を持っていたハッブルは,イギリスに渡ってオックスフォード大学で法律の勉強に励み,アメリカに戻ってから法律事務所を開きました。しかし,これは短期間でやめてしまい,ふたたびシカゴ大学に戻り,天文学の研究を再開することになります。

やろうと思えば数学だろうが法律だろうがスポーツだろうがなんでもこなせる能力...。背が高く,上品で,威厳の高い人であったそうです。労せず何事をもこなすように見えたとか。

多才な方ですね。
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数の概念と神秘主義

数の概念は人間が作り出したというよりも,自然界にあったものを人間が発見したという考え方をするのが一般的なようですが,私のような凡人にとってはときどき疑問符がつく意味付けもあります。

たとえば,完全数。

完全数は紀元前のピュタゴラス学派がもたらした概念です。完全数とは,その数自身以外の約数をすべて加算するとその数となる数です。

一番小さな完全数は6です。6の約数は6を除くと1,2,3でありそれらの合計は6となります。

面白い「偶然」だなと私は思います。約数という概念は人間が存在していなくても自然界に存在しているのだと思いますが,その約数を加算するという操作には意図的な匂いが付きまとっている気がします。なぜ約数をすべて加算するのか,あるいは加算することで得られる利益は何かという問いに明確に答えられそうも無いからです。しかし,そういう数遊びは個人的には大好きですが...。

ピュタゴラス学派が数の魔力にとりつかれたのは,無理からぬことだったのではと思います。ピュタゴラス学派は有名な三平方の定理だけでなく,数の順位と音の振動数の関係も発見したとされています。音階の間隔が弦の長さの比に対応することに気づいたときの彼らの驚きと喜びは想像できそうです。このような経験から世界はすべて数で表現できるに違いないと強く思うようになっていったのでしょう。

しかし,ピュタゴラス学派は神秘主義に傾いていきます。たとえば,奇数は男性を表し,偶数は女性を表す。あるいは奇数は光明,偶数は暗黒など...。

このような非科学的な概念は現代ではとうに払拭しているのではと思う方もいるかもしれませんが,数に関する神秘主義の影響はいまだに我々の生活の此処彼処に入り込み,なかなか完全に断ち切ることは難しいようです。思い起こせば我々も慶弔でお金を包むとき,偶数を避け奇数にしたりしていますね。ヨーロッパでは花を贈るときは奇数本にするとか...。

数をあれこれ考えるのは楽しくはあります。しかし,行き過ぎると自然界と乖離してしまう危険があるといえますね。
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ネイピアの棒

私は暗算がどうも苦手です。紙に書かないと計算できません。そんな私を哀れんでか,かつて友人が面白い筆算の方法を教えてくれましたので,私と同じように暗算の苦手な方のために紹介いたしましょう。

スコットランドの数学者で対数の発見者として知られている ジョン・ネイピア John Napier(1550-1617)をご存知でしょうか? そのネイピアが発明した計算を補助するための器具として,ネイピアの棒 Napier's Rods(あるいは Napier's Bones とも呼ばれる)というものがあるそうです。

ネイピアの棒は,九九の表の各数の1の位と10の位を斜線によって区分けしたようなものです。たとえば,ネイピアの棒の4と7の棒は以下の図のような感じです。

ネイピアの棒


これを使って,47 × 8 を計算してみましょう。次の図のように棒を合わせて8の段のところを注目すると,それぞれ

4 × 8

7 × 8

の計算結果が表されています。これを図中で黒白で塗りつぶしたように斜めに加えていきますと,答えの376を得ることができます。

ネイピアの棒の計算例


もちろんこの原理は,ネイピアの棒が無くても紙と鉛筆さえあれば利用できますね。たとえば,432 × 357 の計算の場合は,次のようになります。

筆算例


慣れてくるといちいち升目を描かなくとも計算できますし,通常の縦算よりも検算もしやすいので便利な方法だと感心しました。
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グラフ理論の応用例

前回,グラフ理論の話題になったとき,やはり文字だけでは情報を的確に伝えるには限界があることを悟りました。無精なのはいけませんね。

グラフ理論の応用例として,わかりやすくて面白い例として次のようなものはどうでしょうか。

木造の家でゆれに対する強度を高めるために梁と梁の間に追加の梁を入れることがあります。これを筋交いといいます。筋交いが無い場合,下の図のように荷重がかかると矩形はゆがんでしまいます。


荷重によるゆがめられる枠組み



筋交いを入れるとゆがみが押さえられます。


筋交い



グラフ理論を用いると,コストを低く抑えるために必要な筋交いの最小本数を考えたり,どのように筋交いをいれると建物がつぶれてしまわないと簡単に知ることができます。

次の(A)と(B)の枠組みではどちらも筋交いは6本あります片方はゆがみが生じます。どちらがゆがむと思いますか?

(A)と(B)はどちらがゆがむでしょうか


梁の枠組みを行側から見て,それぞれr_1, r_2, r_3, r_4と呼び,列側から見てc_1, c_2, c_3と呼ぶことにします。これらをグラフの頂点とみなし,筋交いの入っている行と列の要素の組に辺を置くようにし,次のようなグラフ(2部グラフといいます)を描きます。たとえば,(A)のr_1行c_1列には筋交いがはいっていますので,2部グラフの頂点r_1とc_1は辺で接続されるように描画します。

(A)の2部グラフ



(B)の2部グラフ


ゆがまない枠組みは(A)の方で,そういう枠組みは2部グラフのすべての頂点が辺によって一つに連結して描けることが知られています。このようにすべての頂点が辺によってひとかたまりに連結しているグラフは連結グラフといいます。一方,(B)の方は接続はされていますが,2つの頂点グループに分けられてしまっていますね。こういうグラフは非連結グラフといいます。

また,最小の筋交い数は全域木(スパンニング木ともいいます)の辺の本数に等しく,すなわち

最小の筋交い数=頂点数-1

です。上の例の場合は6本となります。

グラフは,なかなかに便利だと思いませんか?
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用語の不統一

些細なことかもしれませんが,気になってしまうことがあります。

電界と電場,磁界と磁場という呼び名。

ともにelectric fieldとmagnetic fieldの訳なのですが,物理屋は“場”を使い,工学屋は“界”を使うことが多いです。

統一していただきたいですね~。どちらでもよいのですが(といいながら個人的には“場”の方に一票)呼び方が異なるのは,居心地が悪いです。

同じような例として,離散数学の世界の一つのグラフ理論(graph theory)でも用語は不統一です。(グラフとは非常に大雑把な言い方をすれば○(まる)とそれを線で結んだ図形のことです(注)。)

○のことをノード(node)といったり,頂点,節点,あるいは単に点といったり様々です。線の方も,エッジ,枝,辺,アークとこちらもいろいろな呼び方があります。グラフ理論は1736年にオイラー(Leonhard Euler)がケーニヒスベルクの問題(一種の一筆書き問題)を考察して以来,300年近い伝統を誇っていますが,用語の不統一は未だに手がつけられずです。

もっともこれらの研究の進展と成果の前には,用語の不統一の問題は本当に些細なことかもしれませんが...。

(注)
あまりにも大雑把すぎる表現なので,参考までにもうちょっと正確な定義を紹介しておきます。なお,グラフには有向グラフと無向グラフがありますが,ここでは有向グラフの定義を紹介しましょう。

有向グラフGは空でない頂点の有限集合Vと頂点の対を結ぶ辺の有限集合Eによって定義されます。
G=(V,E)

なお,辺はその両端の頂点v_i, v_jを用いて順序対(v_i, v_j)で表され,v_iからv_jへの方向を持ちます。ここで,v_iを始点,v_jを終点と呼びます。
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